2017年11月30日木曜日

骨折後の癒合不全の再手術、同種骨移植手術

 先日の大学での手術です。
下の子はある病院様で前足の骨折の手術をしたのですが、不幸にも骨が溶けていってしまいました。トイプードルなどに時々見受けられる、いわゆる癒合不全という状態です。
最初当院にその件でご相談にいらしていただいたのですが、診察すると元の骨が一部完全に溶けてしまっており、そのままプレート固定術の再手術をすることが困難なことが判明しました。 
私が通っている日獣大病院ではそのような癒合不全の子たちを受け入れております。
当大学病院ではこのような場合は同種骨移植という方法での前足の再建を行います。
下の写真は同種骨移植手術2ヶ月後のレントゲンです。移植した骨がその子にしっかりと定着し、歩行が可能となりました。






左側の真ん中辺りが移植骨の部分です




















もう少しでプレートが外せます。一度は諦めていた飼い主様もこの結果に大満足です。
整形外科でご相談がありましたら、どうぞ当院までお越しください。




2017年11月1日水曜日

大学診療後の勉強会

昨日は大学での診察の後、月に1回あります勉強会の日でした。テーマは副腎皮質亢進症におけるMRIでの診断についてでした。
日獣大の原先生は脳下垂体の手術を行っていて、良い結果をたくさん出しております。
当院でもそのうちできるように頑張ります。

2017年10月12日木曜日

犬からもマダニ感染症!

今年の春~夏頃、このブログ内で「マダニ」による疾患について、一度ご説明させていただいたかと思います。
先日、「マダニ」に関する新しいニュースが報告されました。


以下サイト抜粋。

マダニ感染症、イヌからも=厚労省、注意喚起

10/10(火) 18:48配信 

 マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、厚生労働省は10日、イヌからヒトに感染した事例が徳島県で確認されたと発表した。

 既に野良猫にかまれた女性が発症して死亡した事例が報告されており、哺乳動物を介したヒトへのSFTS感染は2例目。厚労省はイヌやネコの血液や便を通じて感染する恐れがあるとして注意を呼び掛けている。

 同省によると、徳島県で6月、40代男性の飼い犬が食欲廃絶などの体調不良を起こし、動物病院で受診したところ、SFTS感染が判明。その後、飼い主の男性も発熱などの重い症状が出て、感染が分かった。

 男性はマダニにかまれた痕はなかったが、飼い犬の介護をしており、粘膜から感染したとみられる。現在は男性と犬は回復している。

 SFTSの症例は届け出対象となった2013年3月以降、西日本を中心に約300例報告されている。 



マダニは公園や河川敷、田んぼや山の中などに潜んでいます。

マダニによって媒介される「バベシア」はマダニが吸血するとき、血管内に注入され、赤血球を破壊しながら成長していくため、短期間で重篤な貧血を引き起こします。ほかにも、高熱、元気・食欲の喪失、血尿などの症状があり、幼犬や高齢犬の場合、死に至る場合も少なくありません。
この危険性は、人における感染に関しても同様です。

もしも、ご自分のペットにマダニがついてるのを発見したら 、素手で取ったりつぶしたりすることは絶対に避けてください!!
マダニの口の部分が皮膚に残ってしまった場合、そこから膿んでくることもあるので、すぐに当院にいらしてください。

2017年9月28日木曜日

整形外科研修に行って来ました:膝蓋骨脱臼2

この度、9/16~9/17の期間 関西で開催された整形外科研修に行って来ました。

Dr.Hannesのもと、パテラ(膝蓋骨脱臼)に関する最新の治療技術を学ぶことができました。この連休中、飼い主様にはご迷惑をおかけしましたが、今回学んだ技術をぜひとも当院の日々の診察・治療に貢献していきたいと思います。

以前もこのブログで述べましたが、パテラの手術に関しましては『症状に応じての適切な施術』が必要です。他院からのセカンドオピニオンを求めていらっしゃる患者さんの中には、
1、まだ手術をする必要がない症状なのに手術を勧められた。
2、跛行が認められ、明らかに手術が必要な段階になっているのに「様子を見ましょう」と手術を勧められなかった。

以上の2つのパターンが過去に見受けられました。
1の患者さんには普段の生活においてどのようなことに気をつけるのかを細かくご指導させていただき ます。無理にいますぐ手術をする必要などございません。
2の患者さんにはグレードⅣという最終的な段階になっていらっしゃる方もいました。そのような患者さんには骨切り矯正術という難度の高い手術を受けていただく場合もあります。

確かにパテラは命には別状のない疾患ではあると思います。
しかし自分の立場に置き換えたときに、健常肢ではない普段の生活がどんなに不便かを想像していただければと思います。

どうぞ皆様のご相談をお待ちしております。


2017年9月1日金曜日

試験開腹の必要性は?

当院では動物用内視鏡システムを導入し、消化器疾患の診断および治療を積極的に行っています。
大昔の医療ならともかく、現代医療において画像診断の機器がかなり発達してきておりますので、いきなり緊急性もないのに開腹することはあり得ません。
症状を言葉で伝えられない動物の診療に、高画質な画像が威力を発揮し、日常診療の頼れる"目"として観察・診断に役立ちます。また、オーナー様の不安に対して、動画による明確な説明が可能になります。

★嘔吐や下痢が激しい
★食欲が急になくなった
★ぐったりして元気がない     などの症状はみられませんか?

消化管に関する何かしらの異常が見られた場合、大まかな検査の流れは以下の通りです。
① 問診、身体検査や検便、検尿、血液検査などの一般検査
② レントゲン検査、超音波検査など画像診断
③ この時点で診断ができれば、治療開始。あるいは治療による経過観察をします。
④ 上記の検査で原因がはっきりせず、治療により改善も認められなければ、全身麻酔下での内視鏡を検討します。
※当院では、この段階ですぐさま開腹手術は行いません。開腹は動物に負担があります。開腹で見ることができるのはあくまで消化管の外側(漿膜面)です。異物やポリープ、腫瘍、炎症など消化管の内側(粘膜面)を見ることは困難です。当院ではまず、外科侵襲の少ない内視鏡で消化管内部を観察したのちに、必要があった時のみ開腹手術をします。

⑤ 症状に応じて 1)口から 2)お尻から 3)両方 の内視鏡を実施します。
⑥ 消化管粘膜の観察、組織生検を実施し、病理組織検査や遺伝子検査にて確定診断をします。
⑦ フード変更、内服薬、抗がん剤、外科などによる治療を実施します。

病院によっては内視鏡が無い施設もあると思います。だからと言っていきなり試験開腹をするのは間違いです。内視鏡がないなら内視鏡がある施設に紹介するのが現代の医療です。当院はCTやMRIが無いので場合によってはCTや MRIの検査をするために検査センターへ依頼することもあります。
正しい診断をしないと、適切な治療はできません。
当院ではオーナー様と相談の上、治療を決定していきますので、ちょっとした不安がある方はお気軽にご相談ください。セカンドオピニオンも受け付けております。

2017年8月7日月曜日

尿石症

泌尿器疾患の中で一番多く遭遇する病気は膀胱炎です。

膀胱炎に次いで多いのが『尿石症』です。

尿石症は尿路(腎臓~尿管~膀胱~尿道)のどこかで石ができてしまい、
それに伴って排尿痛や血尿、排尿困難などの症状を呈するものの総称です。

尿石の中でも、ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石という種類が最も多くみられます。

ストルバイト結石に関しては、正式名称はリン酸アンモニウムマグネシウム結石と言います。
名前にミネラル成分としてマグネシウムMgが入っています。この石はオシッコがアルカリ性になると形成され易くなります。
ですので膀胱炎など細菌が 感染している状況では尿がアルカリになりますので石ができやすく
お肉ばかり多く食べていると同様に尿はアルカリ性になってしまうので石ができてしまいます。
この結石は尿が酸性で維持されていると形成されにくいという点と、"溶ける"という性質があります。
溶けるといってもお水に砂糖を溶かすような感じではなく、徐々に石の形が崩れて小さくなってきて...という具合です。
ですので、ストルバイト尿石症の場合には内科的に石を溶かす治療を行うことが第一となります。
あまりにも大きい石や混合タイプの石、症状が強くでている場合には内科治療よりも外科治療を先に行う場合もあります。

もう一つのシュウ酸カルシウム結石は、名前にカ ルシウムが入っていますので、カルシウム分を多く与えていると出来やすくなります。
こちらの方はオシッコの酸性アルカリ性には左右されません。
昔はアルカリ側で形成され易いといわれておりましたが、研究が進むにつれてpHは特に関与しないことがわかりました。
血液の中のカルシウム成分が多いと石ができやすくなってしまいすが、かといってカルシウムを摂らないでいると骨が脆くなり、
骨だけでなくカルシウムは体の中で大切な役割を果たす成分になりますので、必要以下には減らすことはできません。
しかしその必要分しか摂取していなくても石ができてしまうという場合の多くは体質が関係しています。

"体質" "食事内容"

この二つが尿石症の原因となりやすい要因です。

体質に関してはなかなか対策が難しいものがあります。
しかし食事に関しては、過去のオシッコトラブルの有無や動物の種類などから、尿石が出来やすいのかそうでないのかを把握する事が可能です。
尿石症になってしまう前に、今一度食事内容を振り返ってみてはいかがでしょうか。

エアコンの設定温度は?

夏といえば、一番に気をつけていただきたいのが『熱中症』!!

そこで、病院でもよく「部屋の温度は何度くらいにすればよいですか」と質問されます。
皆さんはエアコンを何度に設定していますか?

エアコンの温度設定は、部屋の広さや日当たりなどによって異なりますが、当院では20~25度くらいと説明しています。
人が快適だと感じるか、もしくは少し肌寒いくらいの室温がペットにはちょうどいいようです。
ただし、短頭種(鼻の短い種類)、肥満や持病(呼吸器疾患、循環器疾患)があるペットなどは暑さにとても弱いのでさらに注意が必要です。
一方で、若齢や高齢のペットは寒がりだったりするため、室温を下げ過ぎないようにしてください。

また、湿度は60%以下で、理想は50%です。
ここ最近、また台風が近づき、雨の日が多くなるなどと、湿度が高い環境が続く傾向があります。
温度だけでなく湿度にも注意が必要なんですね。

2017年8月4日金曜日

マダニにご注意を

先日、広島県三原市内の90代の女性が重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症して亡くなったことを、県感染症・疾病管理センターが発表しました。これは、ペットでは良く知られている『マダニ』に刺されたことが原因とされています。

■SFTSとは?
SFTSウイルスに感染することです。ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染すると言われています。また、人から人への感染は認められていますが、動物から人への感染については報告されておりません。

潜伏期:6日~2週間

■主な症状は?
発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)。また、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状が起きることもあります。

■ペットにマダニが寄生するのを防ぐには?
動物病 院でネクスガード、フロントライン プラスなどの適切な駆除薬を処方してもらい定期投与を行いましょう。あらかじめネクスガード、フロントラインプラスを投与しておけば、マダニが付着しても48時間以内に概ね死んでしまいます。(※マダニの付着自体を防ぐことはできません)

■気をつける点は?
  • ①散歩の際に山野や草むらに入る場合は、長袖長ズボン、帽子を着用するなど肌の露出をさけ、マダニに咬まれないようにしましょう。
  • ②散歩から帰った際には、人間・犬猫ともにマダニに咬まれていないかチェックしましょう。
  • ③犬猫の場合、被毛の薄い目・鼻・耳・指の間などを重点的に観察してください。
  • ④もしも咬まれていた場合は無理に引き抜こうとせず、医師(皮膚科)・獣医師の診察を受 けましょう。
  • ⑤ご自身が咬まれた場合、数週間は体調の変化に注意をして発熱等の症状が現れた場合は医療機関を受診しましょう。
  • 2017年4月24日月曜日

    オウム病

    2017.4.9のニュースで、鳥類から感染する「オウム病」で日本の妊婦が死亡するという国内初の事例があったと報じられました。
    問題となる「オウム病」とは、果たしてどんな病気なのか?

    ■オウム病とは?
    オウム病は、鳥クラミジア症とも言われる病気で、細菌であるクラミジアの一種(クラミドフィラ シッタシ)によって起こる感染症です。名前からオウムやインコが感染するイメージを抱きやすいですが、鳥類全般が感染します。

    ■どのように人に感染するのか?
    オウム病は、人獣共通感染症として、鳥から人にも感染します。染経路・感染源としては、鳥のフンなどを人が触ることで感染します。そのため 、鳥と同じ空間にいるだけでは人には感染しませんが、鳥に触れたりすると、糞に間接的に接触し、感染する可能性があります。
    ただ、底敷きの新聞紙などに付着した糞が乾燥し、粉末化したものが、鳥の羽ばたきによって空気中に飛沫が散布され、呼吸することで体内に入る恐れがあります。
    その他に、口移しなどの濃厚接触、クチバシでの噛みつかれたり、爪の引っ掻きによってできた傷によって感染する可能性もあります

    ■もしも感染したら?
    高熱、悪寒、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛、咳などのインフルエンザに近い症状が突然発症するとのことです。

    ■オウム病の対策・予防方法は?
    1. 鳥との接触を控えるようにする
    2. 飼 い鳥を検査し、感染している場合は、動物病院で治療する
    3. 鳥との濃厚接触を避け、触った後は手洗い・消毒
    4. 鳥のお世話の際は、マスクを着用する
    5. ケージの清掃・消毒を欠かさず、飼育環境を清潔に保つ
    免疫力が落ちているタイミングでは、1のように鳥との接触を控えることが推奨されます。
    難しい場合は、以降の2~5を徹底しましょう。

    2017年3月13日月曜日

    迷い犬・猫を保護したら?

    迷い犬・猫を保護したら?

        以下の事項を簡単にまとめましょう。
    ・見つけた場所
    ・見つけた日付・時間
    ・特徴(種類、毛色、大きさ、性別など)
    ・首輪、名札など身につけていた物
    ・ご自身の連絡先


        法的に、保護した方はすみやかにお近くの保健所に連絡をする義務があります。盗難されたと飼い主様より言われないためにも、必ず届出はしましょう。

     ★中央区保健所:03-3541-5936   ★江東区保健所:03-3647-5844 
     
    日本の法律的に迷い犬は「捨得物扱い」となります。その後、迷い犬・猫を警察の担当部署で管理するのか、もしくは保護された方の元で飼い主が見つかるまで管理するのかを、選ぶことができます。警察の担当部署においては、あらゆる手を講じて飼い主を探してくれます。鑑札やマイクロチップのチェックもします。

    「警察や愛護センターに保護されたら、すぐに処分されてしまうのでは・・・?」という風説があるらしいのですが、数日で殺処分という事は絶対にありません。
    詳しくは、中央区保健所にお尋ねください。
                  (中央区保健所 談)

    迷い犬・猫のお預かりや治療をご希望される方へ
     不本意ですが、法的な観点より当院では「保護動物の取り扱い」はできません。
    交通事故などの緊急な状態における処置に関しては、対処療法を行うことはあっても、保護した方が保健所に届け出をしていただく必要があります。その後、動かせる状態になったら保護した方が保健所に連れて行っていただきます。その後、継続して治療が必要な場合は保健所が病院に連れていきます。当院での治療の際は、保護された方の名義でカルテを作成し、治療させていただきます。治療費請求は、当院では保護された方に請求する形になります。これは、各家庭でペットに対する価値観が違うことや、本来の飼い主様がそこまでの治療を希望していなかったという様な複雑なケースもあったからです。

    皆様のご理解とご協力のほどよろしくお願い致します。




    2017年3月3日金曜日

    狂犬病ワクチン

    動物病院にとって、春は予防シーズンです。
    予防と一言でいっても、フィラリア・ノミ・ダニ・混合ワクチンなど必要なことはたくさんあります。

    その中でも、絶対に忘れてはならないのが『狂犬病ワクチン』です!!

    狂犬病ワクチンは、法律で毎年一回予防注射を受けるよう義務づけられている人畜共通伝染病です。
    現在、狂犬病に対する治療法はなく、犬も人も発症すれば致死率が100%の非常に恐ろしい病気です。
    幸い日本では、1957年以降発生していませんが、これは予防注射の徹底と厳重な検疫により守られているからです。
    しかし、世界の大部分の地域では、今でも多く発生しているために、いつ侵入してくるか油断は禁物なのです。

    狂犬病の症状は、人も犬も同様で狂躁型と麻痺型と呼ばれる2つの型があります。
    大多数は、狂躁型で食欲不振、情緒不安定などの症状に続き、ヨダレを出すなどの興奮状態を示し、攻撃的になります。
    その後は、元気がなくなり昏睡し死亡します。
    麻痺型は、発症例の2割程度に見られ、発症初期から麻痺状態がでて3~6日で死に至ります。

    狂犬病は、犬だけの病気と思われている方も多いのですが、すべての哺乳動物が感染しますので、犬以外の動物により海外から狂犬病が入ってくる可能性もあるのです。
    日本では、狂犬病予防法により生後3ヶ月以上の犬は狂犬病の予防注射を受け、登録することが義務づけられています。
    狂犬病の発生を防ぐために、毎年、必ず予防注射を受けるようにして下さい。

    2017年2月3日金曜日

    冬の猫ちゃんの健康管理

    猫は元々砂漠出身の動物なので、寒さが苦手と言われています。冬は寒さのためにじっとしていることが多くなり、運動量が減って、病気に対する免疫力が下がる時期でもあります。
    体力の弱い子猫や高齢猫、泌尿器系の持病があるネコちゃんは特に注意が必要です!

    ★定期的な水分摂取!

     寒くなると運動量が減るため、水を飲む量も減ってしまい、泌尿器系の病気にかかりやすくなりますので、飲水量を減らさないように気を付けましょう。いつでも新鮮な水が飲めるよう、何ヶ所かに容器を置いて、こまめに交換してあげましょう。あまり水を飲まない時は、ドライフードをお湯でふやかしたり、水分を多く含むウェットフードをトッピングしてあげるのもよいでしょう。

    ★冷え・乾燥に気をつける!

    ネコちゃんの体が冷えないように、部屋の温度に気を付け、暖かい寝床を用意してあげましょう。エアコンは空気が乾燥しやすいので、加湿器などで湿度を保つことが大切です。
    また、日光浴をすると血行が良くなって体が温まるだけでなく、ホットカーペットやストーブで見られる低温やけどの心配もないため、おすすめです。

    ★太り過ぎに注意!

    ワンちゃんと同様、ネコちゃんも冬場は食欲が増す時期ではありますが、よく食べるからといってフードの量を増やしてしまうと、運動量の減る分、太ってしまう可能性が高いので、適量をきちんと量ってあげるようにしましょう。

    まだまだ寒い日が続くと思いますが、以上の事に注意して、元気に冬を乗り超えましょう!!

    インフルエンザ

    本格的な寒さの毎日でここ最近では、インフルエンザが流行しています。
    そのためか、「人のインフルエンザは動物にうつりますか?」というご質問を受けることがあります。
    結論から言うと、ウィルスの種類が違いますので、犬や猫には人間のインフルエンザは感染しません。人間のインフルエンザの感染伝播が問題になるのは、鳥類と豚です。

    しかし、犬に感染するインフルエンザそのものが「ない」とは言えなくなってきました。
    海外では犬インフルエンザの発生、流行があるといわれています。
    犬インフルエンザは犬の呼吸器疾患を引き起こす感染症であり、現在2種類の犬インフルエンザウイルスが報告されています。
    H3N8亜型CIVは2004年1月にアメリカ合衆国フロリダ州で呼吸器症状を呈した競技用のグレイハウンド22頭から分離されました。感染した22頭のうち14頭は回復しましたが、8頭は出血性肺炎を伴い死亡しました。その後もグレイハウンドでの流行や家庭飼育犬における感染も確認されています。このウイルスは現在アメリカ国内で定着していると考えられています。また、このウイルスは本来馬の間で流行していた馬インフルエンザウイルスが何らかの原因で犬に感染し、その後犬間で感染を繰り返すことによって犬に定着したものと思われます。
    H3N2亜型CIVは2007年に韓国の動物病院において重度の呼吸器症状を呈した犬から分離されました。このウイルスは韓国、中国、日本の野鳥が保有しているH3N2亜型鳥インフルエンザに由来することがわかりました。その後、韓国、中国、タイなどアジア地域で流行していましたが、2015年には北米での発生も確認されています。
    このウイルスは流行が起こった犬舎に同居していた猫にも感染が確認されており、犬と同様に呼吸器症状を示したとのことです。
    これらのウイルスは現在のところ日本での発生はありませんが、近隣諸国で流行していることや感染拡大傾向にあることから今後注意すべき疾患であります。
    今のところ、犬から人への伝播は報告されてないとのことです。
    インフルエンザはうつらないとは言え、そういった際にペットと過度なスキンシップをとるのは、衛生上控えた方が良いかもしれないですね。

    2017年1月8日日曜日

    冬の乾燥肌

    年も明けて日に日に寒くなり、本格的な冬になってきました。
    冬といえば、乾燥が気になる季節です。
    お肌の乾燥は人間だけでなく、動物たちにとっても大敵です。動物たちの肌は乾燥しやすく、それが皮膚病を引き起こす原因にもなるんです。

    Q.なぜ乾燥しやすいの?
    A.動物たちは皮膚が薄い(人間の1/2程度)というのが大きな原因の一つです。人間と違い、動物たちは体全体が毛で覆われています。その毛が体を守ってくれるため、皮膚がそれほど厚くなくてもしっかりと保護されます。なので、皮膚のバリア機能が壊れやすく水分が逃げやすい、つまり乾燥しやすい、というわけです。
    特に、アトピーなどもともと皮膚が弱い体質の子では、バリア機能もより壊れやすいので、乾燥肌になりやすい傾向にあります。

    Q.乾燥すると何が良くないの?
    A.皮膚が乾燥していると、それだけで「痒み」の原因となります。また、「細菌感染」なども起きやすくなります。
    乾燥しているから痒い→掻く・舐める→菌が増殖する→痒い→…といった悪循環が発生するので、乾燥を防ぐことはとても重要です。

    当院には、乾燥肌用のfoodやサプリメント、シャンプーなどのご用意もございます。少しでも気になる方は、いつでもご相談ください。
    皮膚の健康維持に努め、乾燥に負けない丈夫な健康肌でこの冬を乗り切りましょう!!

    そのしこり...もしかしたら、腫瘍かもしれません!!

    愛犬・愛猫の体をなでていたり、ブラシをかけているときに「あれ?なにかコリコリしたものがある」と気付いたことはありませんか?
    そのしこり...もしかしたら、腫瘍かもしれません!!
    腫瘍といっても、皮膚にできているものや皮膚の下に埋もれているものなど様々なタイプがあります。
    ※原因しこりの原因には腫瘍だけではなく、炎症、外傷、皮膚病、アレルギー疾患などでできることもあります。万が一腫瘍だとしても、それが良性なのか悪性なのか判断しなくてはなりません。良性には皮脂腺腫や乳頭腫、脂肪腫が、悪性にはリンパ腫や肥満細胞腫などがよく見られます。しかし見ただけではそれらを瞬時に判断することはできません。
    そこで「生検」という検査が必要になるのです。

    ※検査方法腫瘍が疑われる場合には原因が何かを追求するために、通常は生検を行います。生検には主に次の2通りがあります。
    ①針生検(FNA):しこりに針を刺してその細胞を採取し、染色して調べる方法です。
            ☆メリット→      ○ 無麻酔または軽い鎮静で行うことができます
                                         ○ 比較的、短時間で行えます
            ★デメリット→  × 病変部全体を調べることはできません
                                        × じっとしてくれる子に限られます

    ②全生検:手術で切除した腫瘍を病理検査で確定する方法です。
            ☆メリット→      ○ 病変部全体を検査することができるため、診断的です
                                         ○ 病変部の検査と摘出が一度にできます
            ★デメリット→  × 全身麻酔のリスクがあります
                                        × 時間がかかります

    病気が進行すると、発熱や元気食欲減退など一般症状が悪くなることもあります。
    早期発見のためには、飼い主様の“触診”が一番の手がかりです。少しでもおかしいと思ったら、すぐ当院までご連絡ください。