2013年10月26日土曜日

骨髄検査

骨髄の検査について

骨髄とは骨の中にある血液を作る場所です。骨髄検査は主に他の検査では解決できない血液の異常を見つけるために重要な検査です。また、血液中に異常が認められない場合でも骨髄に病変の存在が疑われる腫瘍などが検査の適応となります。
手技自体は短時間の全身麻酔下で行うことが出来ます。
少し皮膚を切開したのち、専用の針を目的部位(太ももの骨や肩の骨)にあて骨髄を採取します。
骨髄検査をやる子の多くは貧血を起こしている場合が多いです。しかし、輸血や、きちんとした手技が行なわれれば合併症の危険は稀です。例え血が止まりにくい子であっても骨髄検査は行うことができます。骨髄検査によって得られる情報はとても貴重なものなので、必要だと思われる症例に対しては積極的に実施したいものです。


2013年10月12日土曜日

前足が曲がってきたら....


尺骨遠位成長板の軟骨芯遺残

先日、大学病院で診察した症例を紹介します。

これは成長期の大型犬・超大型犬に多い病気ですが、小型犬にも起こります。

尺骨遠位骨幹端部分の軟骨内骨化が遅れることで、肥大した軟骨細胞の遺残が起こります。(手首の付け根にある軟骨が硬い骨に置き換わらないとイメージしてください)

この遺残はレントゲン検査によって、キャンドルスティック状の軟骨芯として確認できます。


 







←キャンドルスティック状の
  軟骨芯










軟骨芯遺残のせいで、尺骨遠位の成長不良が起こります。

尺骨の成長不良のせいで腕の外側の骨が短いまま、内側の骨のみ成長して長くなるため、手根の外反変形(手首が外側に曲がって成長)を起こします。

成犬において骨格の変形による機能的問題、具体的には足を引きずる、体重をかけられないなどの症状が認められる場合には、矯正骨切り術をすることがあります。

 つまり、大人になって生活に支障が出るようなら、手術が必要ということです。

 このように、歩き方がおかしいときは、整形疾患を得意とする動物病院を受診することをおすすめします。