尺骨遠位成長板の軟骨芯遺残
先日、大学病院で診察した症例を紹介します。
これは成長期の大型犬・超大型犬に多い病気ですが、小型犬にも起こります。
尺骨遠位骨幹端部分の軟骨内骨化が遅れることで、肥大した軟骨細胞の遺残が起こります。(手首の付け根にある軟骨が硬い骨に置き換わらないとイメージしてください)
この遺残はレントゲン検査によって、キャンドルスティック状の軟骨芯として確認できます。
←キャンドルスティック状の
軟骨芯
軟骨芯
軟骨芯遺残のせいで、尺骨遠位の成長不良が起こります。
尺骨の成長不良のせいで腕の外側の骨が短いまま、内側の骨のみ成長して長くなるため、手根の外反変形(手首が外側に曲がって成長)を起こします。
成犬において骨格の変形による機能的問題、具体的には足を引きずる、体重をかけられないなどの症状が認められる場合には、矯正骨切り術をすることがあります。
つまり、大人になって生活に支障が出るようなら、手術が必要ということです。
このように、歩き方がおかしいときは、整形疾患を得意とする動物病院を受診することをおすすめします。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。