2013年10月12日土曜日

前足が曲がってきたら....


尺骨遠位成長板の軟骨芯遺残

先日、大学病院で診察した症例を紹介します。

これは成長期の大型犬・超大型犬に多い病気ですが、小型犬にも起こります。

尺骨遠位骨幹端部分の軟骨内骨化が遅れることで、肥大した軟骨細胞の遺残が起こります。(手首の付け根にある軟骨が硬い骨に置き換わらないとイメージしてください)

この遺残はレントゲン検査によって、キャンドルスティック状の軟骨芯として確認できます。


 







←キャンドルスティック状の
  軟骨芯










軟骨芯遺残のせいで、尺骨遠位の成長不良が起こります。

尺骨の成長不良のせいで腕の外側の骨が短いまま、内側の骨のみ成長して長くなるため、手根の外反変形(手首が外側に曲がって成長)を起こします。

成犬において骨格の変形による機能的問題、具体的には足を引きずる、体重をかけられないなどの症状が認められる場合には、矯正骨切り術をすることがあります。

 つまり、大人になって生活に支障が出るようなら、手術が必要ということです。

 このように、歩き方がおかしいときは、整形疾患を得意とする動物病院を受診することをおすすめします。


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