2014年12月7日日曜日

潜在精巣


潜在精巣

 ワンちゃんの男の子は、ヒトと違って生まれたときには精巣(睾丸)がお腹の中にあることが多いのです。生後1〜2ヶ月で体の外に下りてきます。これを「精巣下降」といいます。下降してきた精巣は、陰嚢と呼ばれる袋にすっぽりおさまります。
 しかし、まれに精巣が下りてこない子がいたり、下りてくる途中で止まってしまう子がいます。これは「潜在精巣」という病気です。下りてこない精巣は片方だけのことも、両方とも下りてこないこともあります。
「潜在精巣」には繁殖能力がありませんが、テストステロンという性ホルモンの分泌はおこなわれるため、通常の精巣と同様、将来腫瘍化する可能性があります。その発生率は、通常の精巣に比べて13倍と言われています。このため早期に精巣を摘出することが推奨されます。
本来の去勢手術は、侵襲性のとても低い手術です。しかし潜在精巣は場所によっては開腹手術によるお腹の中からのアプローチが必要になってきます。
 潜在精巣の手術は当院でもおこなっています。去勢手術をされていないワンちゃんで心当たりがありましたら、是非一度ご相談ください。

  

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